隔月短文

月一で創作あげます。

食事

ゴーーーーン・・・・・・

 

暗い夜道の真ん中で、白いもやがガサガサと揺れているのが見えた。僕はそおっとその中を覗き込んだ。「リスだ」そう思った。そのリスは、たぶんこちらを見上げて、真っ暗な目の玉をチカチカさせていた。どうしてここにリスがいるんだろうという疑問はさておいて、とりあえず話しかけた。「こんばんは」その瞬間、気持ちが妙に和んで、もっと話したくなった。「お腹すいてないかい?」うん、とリスが頷いた気がして、嬉しくなったのでネギをあげた。カジュっとネギが鳴ったから、たぶん食べてくれた。僕もいっしょにネギを食べた。コグシュッ。辛かった。「ごめんね、これしかなくて」と僕が謝ると、リスは「おいしいよ」と言ってくれた。

 

ゴーーーーン・・・・・・

 

あっ。そば、間に合わなかった。