隔月短文

月一で創作あげます。

留めるもの

ぽけーっとしていたきみの口からよだれ砂が

よだれ砂は、どんどんきみに纏わりつていく

きみが、きみの意思で、きみ自身を侵していくようだ

その目はまったくふるえていない

みるみるうちに、きみは砂に埋もれて、そのまま出てこなかった

わたしは、それを見届けた、良く言えば

 

ビューという風に砂が乗り、わたしの鼻の穴へ

クチュンッ!

わたしの口から

飛沫ネジが、、。、。

待ってるきみへ

あーん・・・

おくちをひろげてまってるきみへ

ぽんっ

ぼくがつくったゆきだんご、きみはおいしそうにたべてくれて

でも、もったいないから、のみこまずにあじわってたね

だいじょうぶ、おかわりたくさんあるからね

 

 

なにも聞こえない、なにも色付かない

これも、あれも、あれも、あれも

すべて凍りついたみたい

ぼくの黒、きみの黒

重なりあって、ひいらぎ色

 

 

またつくってあげようね

 

 

――――――――――――

 

 

今年も冬に雪が来た

ぼくが作った雪団子

あのこにたくさん持っていこう

坂道ころぶな踏みしめて

待ってるきみへ、あの場所へ

そしてきみはいなかった

 

 

渦巻く風

 

 

足の裏からつむじまで

痛みがずんずん降り積もる

風はぼくをむしばんで

握りつぶして締め上げる

 

 

なにも聞こえない、だれも気づかない

撃たれたみたいに、ぼくは倒れて

そして、冬に食べられたんだ

食事

ゴーーーーン・・・・・・

 

暗い夜道の真ん中で、白いもやがガサガサと揺れているのが見えた。僕はそおっとその中を覗き込んだ。「リスだ」そう思った。そのリスは、たぶんこちらを見上げて、真っ暗な目の玉をチカチカさせていた。どうしてここにリスがいるんだろうという疑問はさておいて、とりあえず話しかけた。「こんばんは」その瞬間、気持ちが妙に和んで、もっと話したくなった。「お腹すいてないかい?」うん、とリスが頷いた気がして、嬉しくなったのでネギをあげた。カジュっとネギが鳴ったから、たぶん食べてくれた。僕もいっしょにネギを食べた。コグシュッ。辛かった。「ごめんね、これしかなくて」と僕が謝ると、リスは「おいしいよ」と言ってくれた。

 

ゴーーーーン・・・・・・

 

あっ。そば、間に合わなかった。